●真・三國無双2(コーエー)

 ジャンル:ACT
 ハード:PS2
 評価点:9

 この所、金掛けただけの駄作やPS2のスペックに振り回されただけの中途半端ゲーが横行する中でちゃんと遊べるゲームを見分けるのは至難の業である。大手メーカーに媚び諂い、大手メーカーのゲームには内容を問わず9点10点を濫発するFミ通のレビューは最早当てにならず、ほかのゲーム雑誌のレビューも似たようなものであり、頼れるのは口コミ己の勘なのである。
 と、大手メーカーや大手ゲーム雑誌をコキ下ろす発言から入っていった訳なのだが、今回のゲームのメーカーも大手であり、老舗である。とはいえ、大手メーカーが全てヘタレているかといえば、そうでもなかったりする。高価な資材を老舗ならではの高い技術力で上手に運用するメーカーだってあるのだ。ゲーム機で映画を作りたいなぞと世迷い事を吐き散らし、200時間遊べるRPGの実態がおまけ要素がメインの約3倍時間を費やさねばならないというインチキチックな構成とゲームバランスという概念をかなぐり捨てたFフXの■社の事では断じてありません!!!誤解の無きよう。
 ヘッポコ大手叩きはこの位にしておいて、本題に入ろうでは無いか。このゲームをリリースしたコーエー(昔は光栄って書いてたのに、いつ頃からかカタカナに変えたらしい)なのだが、コーエーといえば「信長の野望シリーズ」や「三国志シリーズ」で昔から有名である。昔はPCゲームのみだったのだが、ファミコンが登場して数年後にコンシューマー入り。だが、コーエーのゲーム(主に信長と三国志)は当時の子供達には届き難い位置にあった。高かったんですよ値段が。PC版三国志(初代)は当時14,800円しました。これはファミコン丸一機分の値段です。少年時代の私には少々高級過ぎました。ファミコン版もその位したのを記憶しています。それで無くともアクションゲームやシューティングゲームしか興味の無かった当時の私には、複雑過ぎてやってられなかったのです。
 その三国志が突如PSで3D格闘ゲームとして登場したのが、大体3〜4年前の事。……ていうか鉄拳のパクリチックな作りで周囲を翻弄してくれました。PS2が登場後しばらくして前作に当たる「真・三國無双」になります。三国志の英雄・猛将達が兵士を薙ぎ倒しながら爆進するその様に度胆を抜かれたものです。そして今年の9月に登場した「真・三國無双2」、更に洗練されたグラフィックに大幅に増加されたステージとキャラクター達。更に2人同時プレイや対戦などとプラス要素が満載です。
 とはいえ基本的な事は前作と全く同じで、敵兵士を薙ぎ倒しつつ敵の大将を倒すという流れでゲームが進んでいきます。三国志の中でも猛将・智将と謳われている武将達を操って敵と戦うのですが、序盤の内はあまり強くないので調子に乗って突き進んでいると、敵将や敵兵に囲まれてリンチされていつの間にやらゲームオーバーというのも結構ザラです。「あぁ英雄も所詮人の子なのか……」と思わされます。
 前回には無かった事として装備アイテムという概念がつきました。戦う内に補助アイテムやら武器やらが手に入ります。装備する事によって攻撃力・防御力などUPします。他にもステージが始まった時から赤兎馬(三国志で登場する名馬)・的櫨(これも)に乗った状態からスタートできたり、武器の攻撃範囲を伸ばしたりなど能力を補う事が出来ます。1武将に付き4種類の武器があります。普通にプレイしていれば3種類目までは手に入りますが、4つ目の武器は難易度を難しくして(標準は普通)、武将ごとに設定された条件を満たさなければ手に入りません。簡単・普通・難しいの3つ難易度設定がありますが、簡単・普通は普通に遊べて爽快感を得る事が出来ますが、難しいになると敵も防御する事を覚え、思うように先に進めなくなります。敵の攻撃力・防御力も上がるので普通感覚でやっていると簡単にボコられてしまいます。それでも油断さえしなければ決してクリアできない難易度ではないので、ゲームバランスは良いと思うます。
 新ステージとし南蛮攻略がありますが、そのステージでのみ象に乗って戦う事が出来ます。豪快に敵兵を吹っ飛ばせますが、象だけに足が遅いです。ちなみに轢かれると結構痛いです。武将のレベルを表す階級があるのですが、階級が低いと馬から振り落とされてしまうという情けないワンシーンを拝む事が出来ます。
 新要素の協力プレイ及び対戦は画面を2分割します。狭いテレビでは少々見づらいかもしれませんが、協力プレイは4つ目の武器を取る時に非常に重宝します。難易度が高くても2人で敵将を囲んでボコにすれば意外に楽に進む事が出来るし、力を合わせることの大切さを知る事が出来ます。
 流石10数年も三国志に携わっているだけに、最早御家芸と言っても過言ではない。シュミレーションも8作続いて未だ人気衰えずと言った所だし、真・三國無双2の方は三国志を知っていれば知っているで楽しいし、アクションゲームなので知らなくても楽しめるという巧い作りである。

ちょっとアドバイス
1.このゲームの最大の敵は弓兵である。放って置くといつの間にやら周囲は弓兵だらけ。そうなると生存率はガクンと落ちるので、弓隊を見つけたら敵将よりも先に弓兵を駆逐しよう。
2.敵将は一定距離まで縮まったら動き出すので、その距離と状況を見極めて動かない敵将を弓矢で狙撃しよう。弓が使い易い武将は「黄忠(コウチュウ)」、「夏候淵(カコウエン)」、「祝融(シュクユウ)」。
3.2人同時で4つ目の武器を集めるときは、片方をある程度強化した「呂布(リョフ)」を使うのが吉。
※呂布の出現条件は「虎牢関の戦い」で1000人斬りをしてクリアする
4.馬は移動用として割り切った方が良い。拘りたければ御自由に。

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